撮影・編集のコツ Vol.3
椎崎義之先生
第3弾は旅のフォトブック作成術
プロの写真家による
撮影・編集のコツを紹介します。

撮影・編集のコツ Vol.3 椎崎義之先生

旅に出ることは心の窓を開くこと。
誰もがワクワクするHolidayの“かけがえのない瞬間”を
印象的に捉える、プロならではのアプローチ!
そのヒントを写真家・椎崎義之先生に伺いました。

講師&ブック紹介

椎崎義之先生

 和歌山生まれ。大阪芸術大学芸術学部写真学科卒業後、同大学写真学科研究室を経てフリーランスとして活動。

 現在は作品制作を続けながら、キヤノンEOS学園講師など各種写真教室でアマチュア指導など幅広く活躍中。

Wonderful Holidays !

撮影・編集のコツ

バリエーションが印象的な旅写真を撮る早道

 旅に出ると、いろいろ目新しくてついつい何にでもレンズを向けてしまいますよね。まずは、そうやって気になったものを素直に撮ってみればいいと思います。ただし「あれもこれも」と余計なものを構図に入れずに、撮りたい被写体に絞ってシンプルなフレーミングを心がけましょう。

 その国や土地のシンボリックなものを狙う際は、バリエーションを増やすという意味で、ストレートに撮影したら次は視点に工夫を凝らしてみる。僕はパリが好きなのですが、たとえばパリのエッフェル塔なら、あえて観光客を主役にして、その間から小さく見えるように写したり、カフェの窓ガラス越しに撮ってみたりするのもいいでしょう。

 またレンズの画角や特長を生かして変化をつけてみましょう。たとえばリゾート地の海などを広角レンズで撮るときは、波打ち際にぐっと寄ってフレーミングするとか、あえて手前の物を入れるようにすると広角ならではの遠近感がより強調されるので、広々としたイメージで写せます。

 また、色彩の印象は明暗で大きく変わりますから、お気に入りの被写体は明るさを変えて(段階露光して)3枚撮るのがおすすめです。仮に同じブルーでも暗めに撮れば藍色っぽくなりますし、明るめに撮れば淡いスカイブルーに写ります。さらに余裕があったら、縦と横構図の2通りで撮ってみてください。

歩くことでより多くの被写体と巡り会える

 旅先で時間に余裕があるときは、とにかく「歩いてみる」ことをおすすめします。バスや列車の移動では見つけられない被写体との出会いがそこにはあるからです。周囲をよく見ながら、あまり急がずに歩く。

 たまにふり返ってみると、通ったときには気づかなかった情景も見えたりするはずです。仮に同じ道を歩くにしても、行きと帰りでは違うものが見えてくるし、ちょっと寄り道して路地に入れば、驚きの発見があるかもしれない。よく観察してみましょう。

 日の出前や夜の早い時間などに宿泊先のホテルの周りを散歩するだけでも、さまざまな巡り合いがあります。朝夕は斜光でドラマチックですし、朝市のような光景に出会えることもあります。なにげない街角なども季節や天候、時間帯で雰囲気は千変万化しますから、気になるロケーションにはこまめに足を運んでみましょう。雨上りの夜なども、水たまりや濡れた歩道に街灯などが映り込んで幻想的ですよ。早朝や夜の撮影では明るいレンズが欲しくなることもあり、EF50ミリF1.2L USMを愛用しています。このレンズを開放近くの絞りで使うと背景がふんわりボケて、なにげない被写体もオシャレに写せるんです(笑)。

ポイントになる写真の間を埋めていく

 フォトブックの構成は、絶対に外せないという写真を何点か決めて、その間を別の写真でつないでいきます。1枚では今ひとつパッとしない写真でも、組み合わせによって補完し合い、世界観が広がっていくものです。写真集は“見開きを最小単位とする組み写真の集まり”ですから、具体的には2枚1組のペアを作る。そして、簡単でも起・承・転・結のような流れを意識するといいでしょう。

 僕は今回、飛行機の窓からの俯瞰カットを最初に入れて、誰もが共通する旅のワクワク感を演出。続けて、自分が島々で見た光景、出会った人々など、被写体は違うけど構図に統一感があるとか、場所はまったく別だけど青空のトーンが似ているとか、写真2枚ずつのシーンを意識して並べてみました。

 時系列というより、イメージによる旅の追体験です。とくに思い入れの強い写真は、見開き全面で大きく使うといいですね。

 僕は、赤いカエンジュの木にとても感動したので、見開きいっぱいにレイアウトして表現しました。あと写真の流れを確認するには、1枚のシートで全体を眺められる「インデックスプリント」がわかりやすくておすすめです。

ふと手に取れるフォトプレッソの“気軽さ”

 フォトプレッソは本格派なのにカジュアルなところが素敵ですね。部屋に置いておけばフツーにおしゃれですし、ふとしたときに手に取って眺められる。というか、大掃除のときに見つけた昔のアルバムのように、真剣に見入っちゃう(笑)。このサイズなら常時持ち歩いて、「もっと誰かに見せたい!」とも思います。
 今回は、南太平洋のクック諸島を訪れたときの写真で、「南国」「旅」「ゆったりと流れる時間」「休日」……と連想ゲームのようにして『Wonderful Holidays!』というタイトルをつけました。それに、休みの日は誰にでもあるじゃないですか?
 ですから、表紙の写真もできるだけ大勢の方々に見ていただけるように明快さを心がけ、いちばん南の島っぽいかなという単純な理由で選びました。
 ホリデーという多くの皆さんに関係するテーマであっても、その過ごし方は人それぞれ。旅だけじゃなく、お子さんと過ごす時間もあるでしょうし、趣味に没頭する方もいらっしゃると思います。そんなふうに、いろんな「Holiday」が集まったら、きっと楽しいですよね。皆さんもこの機会に、ご自身の大切な「Holiday」をテーマにフォトブックを作ってみませんか?

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